2026年4月から変わる健康保険被扶養者認定の考え方の新たなポイントが公表されました

2026.03.27

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 2026年4月から、健康保険の被扶養者認定に関する取扱いが見直されます。
(取扱いの見直しに関する過去の記事はこちら

 健康保険では、従業員(被保険者)の一定範囲の家族について、被扶養者として認定を受けることができます。これまでは、認定対象者の過去の収入・現時点の収入・将来の見込み収入を総合的に判断し、今後1年間の収入の見込みで決定する運用がされてきました。
 しかし、認定日が2026年4月1日以降になる場合は、被扶養者となるための収入要件について、「労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入」(その他の定期的収入がある場合はそれを含む)で判断されることになります。

 本記事では、新たに追加で公表された被扶養者認定のポイントをご紹介します。

【労働契約内容により年間収入が判定できない場合】
 シフト制により労働時間の記載が不明確な場合など、労働契約内容により年間収入が判定できない場合については、従来どおり給与明細書、課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。

【副業・複数就労の扱い】
 複数の事業所で働く場合は、それぞれの契約から年収を算定し合算して判定します。ただし、一部でも契約内容が不明確な場合は、全体を従来どおり給与明細書、課税(非課税)証明書等で判断します。

【「給与収入のみである」旨の申立ての必要可否】
 被扶養者認定では、「給与収入のみである」旨の申立てが必要ですが、これは認定時だけでなく、その後の適否確認(見直し)時にも必要とされています。
 また、この申立ては必須であり、課税(非課税)証明書で代替することはできません。課税証明書は過去の所得を示すもので、今後1年間の収入内容を証明するものではないためです。

【収入が基準を上回った場合の認定取り消しについて】
 被扶養者の認定は、収入が基準を上回った場合でも、直ちに過去へ遡って取り消すのではなく、将来に向かって扶養を外す取扱いが基本とされています。
 一方で、認定時に瑕疵があり被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合は、認定時に遡って認定を取り消すこととされています。

【まとめ】
 今回の取扱いは、単なる形式的な基準の適用にとどまらず、契約内容や収入の実態を踏まえて判断する考え方をより明確にしたものといえます。
 今後の改正においては、画一的な対応ではなく制度の趣旨を踏まえた適切な判断が一層重要となります。被扶養者認定に関する運用については、最新の取扱いを正確に理解したうえで、個別事案ごとに丁寧に対応していくことが求められるでしょう。

【引用】
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260310S0010.pdf