デジタル払いPAYPAY株式会社が第一号

2024.10.11

最新の労務関連情報

労働基準法上、賃金の支払方法には5原則があり、
①通貨で ②直接労働者に ③全額を ④毎月1回以上 ⑤規定の期日を定めて
支払う必要があります。
現在、多くの企業において賃金は銀行振込の形で支払われていますが、
通貨で支払う原則があるため、労働者の同意を得た場合に
銀行振込が許可される仕組みとなっています。
これに加えて、通貨以外の給与支払い方法として、昨今のキャッシュレス決済の普及や
送金手段の多様化のニーズに対応するために、
2023年4月に給与のデジタル払いが解禁されました。

デジタル払いについては資金移動業者が厚生労働省より指定を受ける必要があり、
2024年8月9日、PayPay株式会社が第一号となりました。
同日時点で指定申請があった資金移動業者数は4社、
審査中の資金移動業者数は3社となっており、今後普及していく可能性があります。

実際にデジタル払いを行う際の注意点としては、
企業側と従業員側の間で労使協定を結び、その上で各従業員に同意を得る必要があります。
従業員がこれまで通り銀行口座振込を希望され、
デジタル払いを希望しない場合は強制することはできません。
すべての従業員の賃金の支払い方法を一斉に変更する必要はないので、
各従業員の希望に合わせて銀行口座支払いとデジタル払いを分けていただくことが可能です。
また、賃金の一部をデジタル払いにし、
その他は銀行口座での支払いとすることも可能です。

デジタル払いを必ず導入することは求められていませんが、
今後の世の中の流れに注視していく必要はありそうです。

引用:資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html

賃金移動業者の口座への賃金支払い(賃金のデジタル払い)における資金移動業者の指定|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41528.html