2025年10月より「リ・スキリング等教育訓練支援融資制度」が創設されました

2025.12.05

最新の労務関連情報

スキルアップ等を目指す方々が生活面の不安なく訓練を受けることができるよう、
教育訓練費用と教育訓練期間中の生活費を支援する「リ・スキリング等教育訓練支援融資制度」が
2025年10月より始まりました。

リ・スキリングとは、新しい職種に挑戦する際や、
現在の仕事で求められるスキルが大きく変化した場合に必要な学び直しのことを指します。

今回創設された「リ・スキリング等教育訓練支援融資制度」を受けるには、
条件を満たす方が対象の教育訓練を受講することが必要です。

 

【融資を利用できる方の主な条件】

ハローワークへの求職申込や、過去3年以上の就業経験、キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作成していること等が必要です。
雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者である方は対象外となります。

 

 

 

【対象となる教育訓練】

対象となる教育訓練は以下の通りです。
訓練期間が1か月以上4年以内のもののうち、学校教育法に基づく大学、専門学校等が提供する教育訓練や、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練等が対象となります。

 

 

 

【融資内容】
融資内容は対象者の年収によって異なり、年収200万円以上の場合、教育訓練費用については年間最大120万円を最長2年間、生活費に対しては月額最大10万円を受講予定訓練月数(最長24ヶ月)受けることが可能です。

 

 

注意点としては、以下のような点があげられます。

・当制度の融資を受けようとする費用に対して、給付または融資を受ける他の制度を利用していないこと(職業訓練受講給付金、教育訓練支援給付金等)

・教育訓練の開始前、受講中、終了後のそれぞれで手続きする必要がある

・利息を含めた返済が必要になる(年利率:2%)

・融資審査により融資が受けられない場合がある など

 

今回紹介した制度は、教育訓練にかかる費用だけではなく、訓練期間中の生活費に対してもサポートを受けられることから、安心して学び直しに取り組めるよう設計された制度です。
また、一定の要件を満たした場合、融資額の返済の一部免除制度も用意されています。

このような制度が創設されている背景には、DXの加速化などにより企業・労働者を取り巻く環境が変化するとともに、労働者の職業人生の長期化も同時進行する中で、労働者の学び・学び直しの必要性がより高まっていることがあげられます。

自身のスキルアップ、リ・スキリングに興味はあったものの、金銭面で挑戦しづらかった方などはぜひこの制度を活用してみてはいかがでしょうか。

 

【関連制度のご紹介】

・教育訓練給付金(厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されます。※リ・スキリング等教育訓練支援融資制度との併用は不可)

教育訓練給付金|厚生労働省

・教育訓練休暇給付金(2025年10月1日に開始した制度で、雇用保険の一般被保険者が在職中にスキルアップやリ・スキリングを目的とした教育訓練を受けるために、無給の休暇を取得した場合に支給されます)

教育訓練休暇給付金の概要について | 社会保険労務士法人 おぎ堂事務所

 

【引用】

リ・スキリング等教育訓練支援融資
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/reskillingtou_shienyushi.html

再就職、転職、スキルアップを目指す皆さまへ 都道府県労働局・ハローワーク 「リ・スキリング等教育訓練支援融資」 のご案内 (001572533.pdf