令和6年11月からすべてのフリーランスの方が労災保険特別加入制度の対象になります
2024.10.25
法改正情報
令和6年11月より、全職種のフリーランスの方が労災保険に特別加入できるようになります。
今までは、自動車配達員や歯科技工士などの決まった職種のフリーランスの方のみが
この制度を利用できましたが、今回の改正によって、今までになかった職種の方も
「特定フリーランス事業」として特別加入できるようになります。
(令和6年11月から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となります | 厚生労働省)
まず労災保険とは、仕事中や通勤中の怪我や病気による治療費や、それによる休業、障害または死亡等について補償を受けられる制度のことで、対象となるのは雇用される方々です。
そして、労災保険の特別加入制度とは、雇用されない方も一定の要件を満たせば労災保険を使うことができる制度のことです。
フリーランスの方がこの制度を使いたい場合は、
まずは都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体を通じて加入手続きをする必要があります。
保険料については、給付基礎日額(3,500円~25,000円までの16段階)を自身で選択し、
年間の保険料額はその給付基礎日額×365日分×保険料率(現在は3/1000)で算出されます。
(例)給付基礎日額10,000円を選択した場合の年間保険料額は10,000×365×3/1000=10,950円
今回の改正は、雇用契約を結ばずに個人で仕事を請け負うフリーランスが増加している一方で、
通常の従業員には存在する様々な制度が未整備である点が問題視されてきたことが背景にあります。
今回紹介した内容に加え、
フリーランス新法と呼ばれる、フリーランスの方を使用する取引の適正化や、
その就業環境の整備を目的とした「フリーランス・事業者間取引適正化等法」も
令和6年11月よりあわせて施行されます。
取引条件や報酬支払日を書面などで明示することが義務づけられるほか、発注事業者に応じて取り組むべき内容が定められました。
(フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ|厚生労働省)
現在の日本では多様な働き方が増えてきており、
今回のフリーランスという言葉も最近よく耳にするようになりましたが、
認識の違いなどで予期せぬトラブルに発展しないよう、定義やルールを改めて確認しておくのがよいでしょう。