2025年6月1日より職場における熱中症対策が義務付けられます

2025.05.09

法改正情報

 2025年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行されます。今回の改正では熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため「早期発見のための体制整備」「重篤化を防止するための措置の実施手順の作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられます。

 熱中症による死亡災害は深刻な問題で、年間およそ30人が亡くなっており、死亡者の約7割は屋外作業者です。また、熱中症は死亡災害に至る割合が他の災害の約5~6倍にのぼります。死亡災害のほとんどが初期症状の放置・対応の遅れによるものであるため、現場において的確な判断や対応が出来るよう対策強化が必要となります。

対象となるのは「WBGT値28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業となっており、適切に行わなかった場合には罰則(6月以下の懲役または50万円以下の罰金)も定められているため注意が必要です。

 具体的な処置の例として厚生労働省は下記のフローを挙げています。

 近年は夏の猛暑が深刻化していることもあり、熱中症による死亡者数も増加傾向にあります。今回の措置の対象となる作業を行う事業所で、体制の整備等をされていない場合については6月の施行に向けて早急な対応が求められます。また、既に体制が整備されている事業所についても、今回の改正で定められたポイントを満たしているか今一度チェックされることをお勧めします。

【引用】
厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(リーフレット)
厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(パンフレット)