19歳以上23歳未満の被扶養者についての収入要件が変わる見込みです
2025.06.20
法改正情報
令和7年5月16日、厚生労働省より「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について(案)に関する御意見の募集について」(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000292991)のパブリックコメントの募集が開始されました。厚生労働省の通達案によると、2025年10月1日から被扶養者の認定に係る年間収入について一部が見直され、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合、130万円未満から150万円未満となる見通しです。
今回の見直しは、厳しい人手不足にも関わらず、「年収130万円の壁」が原因で扶養から外れることを避けるために就労調整をしている労働者への対応策と考えられます。
現在の健康保険の被扶養者認定要件は下記のようになっております。
被扶養者して認められるためには、「被扶養者の範囲」と「収入要件」を満たす必要があります。
「被扶養者の範囲」(図1参照)
1.被保険者の直系尊属(父母や祖父母など)、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人
2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人
①被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
②被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
③②の配偶者が亡くなった後における父母および子
図1
「収入要件」
1.同一世帯に属している場合
・認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。(ただし、対象者の年間収入が被保険者の2分の1以上であっても、被保険者の年間収入を上回らない場合には、家庭の状況等により被扶養者となる場合があります)
2.同一世帯に属していない場合
・認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。
今回変更されるのは、この「収入要件」であり、19歳以上23歳未満の被扶養者については年間収入150万円まで被扶養者として認められることとなる見通しです。なお、同じ大学生であっても23歳以上については認められませんので、注意が必要です。
企業においては、雇用する従業員または従業員の家族が新たに被扶養者に認定される可能性があります。そのため、事前に制度内容を掲示板や社内メールなどを使い周知し、扶養追加の手続きを円滑に進めることが重要だと思われます。
引用
全国健康保険協会HP 被扶養者とは?
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3163/1959-230/#7-a)