2025年8月1日より雇用保険の給付に関する上限額等が変更されました
2025.08.08
法改正情報
2025年8月1日より、雇用保険の給付に関する上限額等が変更されました。
この変更は毎月勤労統計の平均定期給与額の増減等をもとに行われ、給付を受けている方は支給額が変わる場合があります。
1 雇用保険の基本手当当日額の上限額変更
基本手当日額とは、いわゆる失業保険をはじめとする雇用保険の給付を受ける際の
1日当たりの金額のことで、年齢区分ごとに上限額が決められています。
引き上げ後の世代ごとの上限額は以下の通りです。
♢年齢区分に応じた賃金日額・基本日額の上限額
例えば、29歳で賃金日額が17,000円の人は、上限額(14,510円)が適用され、
2025年8月1日以降分の基本手当日額(1日あたりの支給額)は7,255円となります。
♢賃金日額・基本日額の下限額
基本手当日額の下限は、年齢に関係なく2,411円となります。
失業保険を受給中で上記変更の対象となる方に関しては、2025年8月1日以降に発行される「雇用保険受給資格者証」で変更後の基本手当日額を確認することが出来ます。
2 就業促進手当の上限額について
就業促進手当は早期再就職を促進することを目的としたもので、「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」の3つがあり、同様に上限額の見直しが行われます。
♢再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当の算定における基本手当日額の上限額
3 高年齢雇用継続給付の支給限度額変更
高年齢雇用継続給付は、60歳到達時点に比べて賃金が75%未満に低下した状態で働く
60歳以上65歳未満の労働者に給付金を支給する制度です。
2025年8月1日以後の支給対象期間から支給限度額、最低限度額、60歳到達時等の賃金月額の上限額・下限額が変更となります。
なお、高年齢雇用継続給付については、2025年4月より給付内容が変更されています。
上記変更内容についての弊所記事はこちらをご参考ください。
4 介護休業給付金の支給限度額変更
家族の介護のために介護休業を取得する従業員に対して支給される「介護休業給付金」の上限額についても見直しが行われます。
5 育児休業等給付の支給限度額変更
育児休業を取得した労働者に対して支給される「育児休業給付金」や、産後パパ育休と呼ばれる「出生時育児休業給付金」、2025年4月より新設された「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」の限度額についても見直しが行われます。
(「出生後休業支援給付金」について詳細はこちら)
(「育児時短就業給付金」について詳細はこちら)
雇用保険制度には、従業員の失業中の生活支援だけではなく、
今回紹介した早期再就職を促進するための「就業促進手当」や、60歳到達時点に比べて賃金が一定減少した労働者に対する「高年齢雇用継続給付」、育児休業もしくは介護休業を取得した労働者に支給される「育児休業給付金」「介護休業給付金」などがあります。
ご自身や、従業員の方の状況に応じて制度を適切に活用できるよう、最新の情報をチェックされることをお勧めいたします。
雇用保険給付について、詳細は以下の厚生労働省ホームページをご参考ください。
労働者の皆様へ(雇用保険給付について) |厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134526.html)
【引用】
令和7年8月1日からの基本手当日額等の適用について|厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00048.html)