在職老齢年金制度の基準額が引き上げられます

2025.12.19

法改正情報

 在職老齢年金制度の基準額が2026年4月から50万円から62万円に引き上げられます。
在職老齢年金制度とは、年金を受給しながら働く高齢者の賃金と老齢厚生年金の合計が基準額を超えると老齢厚生年金が減額される仕組みです。
今回の引上げにより、賃金と老齢厚生年金受給額の合計が62万円までであれば年金を満額受け取ることが可能となります。

 引上げを行う背景として、平均寿命、健康寿命が延び、働き続けることを希望する高齢者が増えている一方で、年金額が減らないよう時間を調整して働く高齢者がいることがあげられます。
実際に働く年金受給者のうち16%が在職停止者という調査結果もあります。(2022年度末 年金局調べ)
 こうした働きたい人がより働きやすくなり、人材確保や技能継承の観点で高齢者を求める世の中のニーズにも応えるために在職老齢年金制度の見直しが行われました。
そして今回の基準額の引上げにより、本来の年金を受給しやすくなり、より多く働けるようになり、高齢者の働き控えを緩和して人手不足の解消につながるとされています。

 在職老齢年金制度の見直しが行われることで、企業側も基準額まで働きたい高齢者に合わせた賃金の見直しなどが必要となりそうです。

引用
・在職老齢年金制度の見直しについて|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00022.html
・年金制度改正法が成立しました|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html