2026年12月10日までに「カスタマーハラスメント対策」が義務化されます
2026.01.09
法改正情報
労働施策総合推進法の一部を改正する法律が2025年6月4日に成立し、
今後事業主に対し、カスタマーハラスメント対策を講じることが義務付けられました。
施行日は「公布の日から起算して1年6月以内の政令で定める日」とされており、
2026年12月10日までに施行される予定です。
今後は、全国のすべての事業主が、カスハラ対策に取り組む必要があります。
【カスタマーハラスメント(以下、カスハラと言う)とは?】
法律上、カスハラとは、以下の①~③の3つの要素をすべて満たす行為を指します。
① 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行う
② 社会通念上許容される範囲を超えた言動により
③ 労働者の就業環境を害すること

企業の現場では、以下のようなものがカスタマーハラスメントであると考えられます。

「顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合」や、「要求を実現するための手段・様態が社会通念上不相当なもの」の例としては、以下のようなものが想定されます。

※正当なクレームや業務上の指摘までが、直ちにカスハラに該当するわけではありません。
今後、事業主が行う必要がある措置については、国の指針が公表され次第お知らせします。
事前の準備、実際に起こった際の対応として、以下のような取り組みを実践するとよいでしょう。
【カスタマーハラスメントを想定した事前の準備】
① 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
② 従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
③ 対応方法、手順の策定
④ 社内対応ルールの従業員等への教育・研修
【カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応】
⑤ 事実関係の正確な確認と事案への対応
⑥ 従業員への配慮の措置
⑦ 再発防止のための取り組み
⑧ ①~⑦までの措置と併せて講ずべき措置
(相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、従業員に周知する等)
2025年4月より、東京都カスハラ防止条例が施行されたこともあり、街中で周知用ポスターを見る機会も増えましたが、今回の法律が施行されると、全国の事業主がカスハラについて取り組む必要があります。
カスハラはどの業種でも起こり得るものですが、顧客と直接接する機会が多い、小売業(スーパー・コンビニなど)や飲食業などといったBtoCの業種ほど起こるリスクが高い傾向があるといえます。
職場でカスハラが起こることにより、以下のような問題が発生することが想定され、これらに伴う経営的な損失等も考えられます。
・労働者の意欲の低下などによる職場環境の悪化や生産性の低下
・労働者の健康状態の悪化
・休職や退職などへの影響
実際にカスハラ対策に取り組んだ企業の意見としては、
・「従業員を守ることを行動で示す大事さ」を会社組織として再認識できる
・人材の確保が難しい中、職場環境をよくすることで離職者を減らすことにつながる
など、ポジティブな意見があげられています。
会社や事業主が取り組むべきハラスメント対策について、この機会に事前確認しておきましょう。
カスタマーハラスメント対策リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000899376.pdf
令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html
職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産等、育児・介護休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
